「THE FIRST SLAM DUNK」感想:なぜこんな映画に?

話題になっていた「THE FIRST SLAM DUNK」が12月3日(土)に公開され、私は12月7(水)に観てきました。

公開の初日と翌日は混雑が予想されましたので避けて、少し落ち着いた平日の午後を選び、妻と2人でのんびり鑑賞…

ちなみに妻はスラムダンクを読んだことはなく、アニメも観ていません。

一番感じたことは、スラムダンクらしくない映画だったことです。なぜ、こんな映画になったのか?と思いました。

スラムダンクはスポーツ漫画ですが、所々でギャク的な要素が出てきて笑えます。

しかし、このTHE FIRST SLAM DUNKは、ガチなスポ根漫画になっていて、全く笑えませんでした。

スラムダンクのキャラクターが登場するけれど、中味は全く別のバスケ漫画のようでした。

私個人の感想として、残念な面もありますが、これはこれで良い映画だったと思います。私の採点は70点くらいです。

映画の内容について

映画は、沖縄で少年2人がストリートバスケットをやっているシーンから始まります。

その少年2人は「宮城リョータ」と「兄のソウタ」で、リョータがワンオンワンで兄を抜こうと必死に頑張っている姿でした。

宮城リョータがまだ小学生だった頃です。バスケが上手な兄のようになりたいという気持ちが伝わってきます。

しかし、兄のソウタは船の事故で亡くなり、父もすでに他界していましたので、リョータの家族は母と妹だけになり、リョータを含めて3人家族になってしまいます。

そんな中、リョータは地元のバスケットチームで奮闘します。兄はエース的存在でしたので、自分が亡くなった兄の代わりになろうと懸命にプレーしますが、兄には及びません。

やがて宮城一家は辛い思い出を忘れるために引っ越すのでした。

「宮城リョータの生い立ちの回想シーン」から始まった映画ですが、山王工業と湘北高校のゲームのシーンも登場します。

インターハイの1回戦の豊玉高校に勝利した湘北が、2回戦で対戦したチームが優勝候補の山王工業でした。

山王工業との試合はアニメでは放映されませんでしたので、とても楽しみな映像です。

しかし、試合の途中で宮城リョータの回想シーンに切り替わったり、試合のシーンに戻ったりして、どっちつかずといった内容でした。

映画全体としては、山王工業との試合の中で、リョータの回想シーンが出てくるといった感じでしょうか!湘北高校のバスケ部に入り3年の先輩と衝突したり、赤木とのやり取り、三井寿との喧嘩の場面も出てきます。

スラムダンクでは、それほど目立ってなかった宮城リョータですが、赤木が引退した後の新キャプテンですので、湘北を背負っていく選手です。スポットライトが当たってもいい存在ですね。

尚、宮城以外に三井や山王の沢北の回想シーンも少し出てきました。

残念に思ったところ!

山王工業と湘北高校の試合は、スラムダンクの中でもベストの試合と言える素晴らしいものでした。

そのため、アニメ化されるのを楽しみにしていたファンは多かったと思います。

当然、試合だけをじっくり詳細に取り上げて欲しかったところですが、映画全体の中で、宮城リョータの回想シーンが半分くらいあり、試合内容はカットされているシーンが多々ありました。

また、選手の紹介や、インターハイの2回戦であることの説明もなく、スラムダンクを読んだ人でないと、どういう試合なのか全くわからないようになっていました。

私は映画の後でスラムダンクを知らない妻に、山王との試合の意味や、湘北が次の愛和学院に敗れたことを説明しました。

せっかくの山王との試合を中途半端な形で映画化されたのは残念です。

また、スラムダンクはギャク的なシーンがたくさんあり、そこが私個人としては好きなのですが、この映画では、今まで見てきたスラムダンクと違い、ガチなスポ根漫画になっていますので笑えるシーンがありませんでした。

コミックに出てきた「花道の顔面シュート」「花道がゴリへのカンチョー」「やまおうは俺が倒す」「オヤジー!安西先生の顔をタプタプ!」のシーンはカットされずに出てきましたが、ガチな雰囲気でしたので、全く笑えませんでした。

もちろん、コミックを読んでいた場合は、これらのシーンは笑えます。

「湘北と山王の試合」と「宮城リョータの生い立ち」は、別々の映画でやって欲しかったです。

アニメと声優がチェンジされていたことも、スラムダンクらしくない感じを強くしていたかもしれません。

良かったと感じた点

コミックでは、湘北高校の選手の生い立ちや家族について取り上げることはありませんでしたので、今回の映画で、今までなかったスラムダンクを観ることができました。

感動するシーンもありました。

今後は映画で宮城リョータ以外の選手についても取り上げて欲しいです。

主人公の桜木花道でさえ、生い立ちや家族のことはわかりません。

また、試合の映像がリアルな感じで迫力がありました。映画館で観たからこそ、この迫力を味わえるのでしょう!

まとめ

この映画は、今までと同じようなスラムダンクを期待した人にはガッカリする内容かもしれません。

しかし、バスケットを題材としたスポーツ漫画という見方をすれば決して悪い作品ではないと思います。